日本でもある機関で、遺産相続の問題から300年前の江戸時代の武将の子孫かどうかが鑑定され、証明されたことがある。
鑑定でわかるのは親子関係だけではない。サラリーマンにとって一昔前まで、満員電車は証言ひとつで痴漢に仕立て上げられる可能性がある怖い場だった。しかし、現在、鉄道警察ではDNA採取キットを常備している。相手女性の肌を直接触っていれば、指や手に女性の細胞が残るためだ。
また、浮気の状況証拠にもDNA鑑定が活躍する。たとえば、奥さんが、夫が浮気したと思われる日のパンツを持ち込む。付着物の成分を調べ、奥さん以外の女性のDNAが検出されればアウトというわけだ。
このように、鑑定はいま刑事事件の捜査だけでなく、様々なところで行なわれている。この研究所にも、最近、裁判や個人レベルの調査の依頼が急増しているという。
撮影■佐藤敏和
※週刊ポスト2014年2月21日号