ライフ

最新の筆跡鑑定ソフト 運筆状況や字画形態を数値化して比較

筆跡鑑定で文字の重心を数値化する作業

 DNA鑑定を筆頭に、最近話題の「科学鑑定」だが、はたしてどこまで分かり、いかに正確なのか。科捜研や科警研のOBで構成され、映画『そして父になる』など、話題の映画やドラマの監修も務める日本最大の民間鑑定会社「法科学鑑定研究所」を取材した。ここでは筆跡鑑定の最新事情を紹介する。

 着物を着た書道家が正座し、遺言書と手紙の文字を見比べ、「偽の遺言書です」と判定を下す──筆跡鑑定というとそんなイメージだが、現在はすでに科学の領域に入っている。

 ここでの主役はコンピュータだ。専用に開発された筆跡鑑定ソフトで文書を読み取り、一文字ごとに運筆状況や字画の形態を数値化して比較するのだ。しかし、字を似せて書けば、コンピュータも騙されるのではないかという疑問が湧く。

「人によって、書くたびに字の形が異なる、ブレの大きい字があり、そのブレも数値化されます。字を似せて書くと、ブレがなくなってしまうので、偽造だとわかります」(法科学鑑定研究所・三崎揮市氏)

 他にも公表できない鑑定ポイントは多々あり、もはや人による鑑定を完全に凌駕している。文書の真偽を鑑定する際、こういった筆跡だけでなく、インクの質の違いや紙の状態の変化にまで科学のメスが入る。領収書や契約書の数字の改ざんも、赤外線などさまざまな光源の光を当て、顕微鏡で拡大すると、たちどころに偽造がバレるのである。

撮影■佐藤敏和

※週刊ポスト2014年2月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン