ビジネス

店舗数減少の「東京チカラめし」 再編背景を運営会社が解説

 吉野家の「牛すき鍋膳」、なか卯の「牛すき丼」、すき家の「牛すき鍋定食」──。いま牛丼業界では、メニューに「牛丼依存」から脱しようとする動きが目立つ。さらにここにきて、瞬く間に勢力を広げて牛丼業界に衝撃を与えていた『東京チカラめし』に、急ブレーキがかかっていることも、“牛丼依存見直し”の遠因になったとされている。

『東京チカラめし』は、個室式居酒屋の『東方見聞録』や、低価格居酒屋『金の蔵Jr.』を展開する居酒屋チェーン「三光マーケティングフーズ」が、2011年6月から手掛けている業態だ。

 牛丼業界の久々の新星は、わずか2年で140店舗に急成長。同社の平林実社長は、2014年中に500店出店をブチ上げていた。

 成長の原因はメイン商品を肉を“煮込む”牛丼から、“焼く”「焼き牛丼」に変えたこと。若者を中心に支持を得たため、各社もこの“焼き肉丼”方式に追随した。『吉野家』では昨年7月に「牛カルビ丼」を発売。『松屋』は「カルビ焼牛めし」、「ネギ塩豚カルビ丼」などをメニューに並べた。

 ところが今月、「三光」は第2四半期累計(2013年7~12月)が30.9億円の赤字に転落し、通期の損益を0.2億円の黒字から44億円の赤字に下方修正することを発表した。

 実際、全国では『東京チカラめし』の店舗の閉鎖が相次いでおり、昨年8月の時点で140店舗あったものが、年末には98店舗に激減していた。

 外食業界に詳しいジャーナリストの中村芳平氏は、「『焼き牛丼』のオペレーション面の問題を解消できないまま、急成長してしまったのが原因」と分析する。

「毎回焼くというスタイルは、狙いとしては大変面白いものでした。しかしこれは同時に、これまで肉を盛るだけだったオペレーションに“焼く”という作業が増え、客への提供の遅延を招く。牛丼は早くて当たり前と思っている客の不満に繋がり、客足を遠ざける危険性があった」

 相次ぐ店舗の閉鎖について、「三光」はこう回答している。

「主要食材である米国産牛肉の調達価格が依然高騰のまま推移しており、収益悪化を招きました。

 また店舗の急速拡大により、店舗QSC(クオリティ、サービス、クリンリネス=清潔さ)レベルが不安定となり、来店客が減少してしまいました。そこで店舗配置の見直しを図り、再編を行なうこととしました」(社長室広報グループ・大貫実マネージャー)

 前出の中村氏が続ける。

「『東京チカラめし』の『焼き牛丼』は、メニュー複雑化の象徴でした。これは他チェーンも同様ですが、低価格競争だけでは客が呼べなくなったため、メニューを多様化したことで作業が増えた。それでも、早さと安さを維持しなければならないという、難題に悩まされていたのです」

※週刊ポスト2014年3月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト