最低10年ほど大病院で働けば、ひと通りの経験は積めるという。大病院の医師としてのあまりに長い経験は、逆に開業医になった場合にはマイナスの要素になりかねないのだ。
そして、1人の医者で診療科目が4つ以上掲げられている場合も気をつけたい。
専門が特殊なものに限られるのも困りものだが、逆に手広く広げ過ぎて問題なケースもある。
雑居ビルに位置する医者1人の小さな診療所にもかかわらず、表の看板には「内科・消化器科・整形外科・耳鼻科・皮膚科」などと、いくつもの診療科目がずらりと並んでいるところも多い。どんな病気でも対処してくれるから、有り難い? いや、さにあらずだ。
「病院や医師の数が少ない地方ならばともかく、大きな都市にあって、医師1人でやたらと多くの診療科目を掲げている診療所は避けたほうがいいでしょう。十分な知識がないのに、患者さんを集めるためだけに掲げている場合があるからです」(前出・永田氏)
いくつ以上ならば怪しいという絶対的な基準があるわけではないが、1人の医者しかいないのに、もっとも一般的な内科以外に専門性の高い診療科目が3個以上掲げられている場合は要注意だという。
ただし、最近ではよそから専門医を非常勤で雇っている町医者もいる。その場合はむしろ安心できる。
※週刊ポスト2014年3月14日号