中国の環境保護関連の市場規模が昨年1年間で3兆元(約50兆円)規模と、6年前の2007年から毎年、前年比平均30%増、全体で5倍の急成長を遂げていることが分かった。中国政府系紙「経済参考報」が報じた。
中国政府は環境保護予算として今後5年間で約3000億元(約5兆円)を投じるほか、31省・自治区・直轄市の1級行政区ごとに特別予算を組んで、環境保護活動に当たらせる方針。
中国国家環境保護省の呉暁青次官によると、微少粒子状物質(PM2.5)などの大気汚染対策だけで、中央・地方政府や企業など社会全体で2017年までに合計で1兆7000億元(約28兆6000億円)超を投じるという。
すでに、3月14日に閉幕した全国人民代表大会(全人代)では31の行政区が責任を持って大気汚染や水質汚染などを根絶するほか、中国環境省が個別の行政区の環境汚染状態をチェックし、改善がない場合は責任者が追及されるという内容の特別行政法案がそれぞれ施行された。
「これは環境改善について、中国政府が直接管理・監督に責任を持つことと同じであることから、今後は環境保護関連産業が花形産業になる」と同紙は指摘する。
同紙によると、中国全土の環境対策関連企業は2万4000社に上っているが、このうち中国本土の株式市場に上場しているのが400社に過ぎない。昨年の年間の営業収入は3兆元に達しており、今後上場する企業が急増する可能性が高いという。
さらに、国内企業ばかりでなく、海外の環境関連企業も大挙して進出の度合いを強めており、空気清浄機などの製造強化など関連企業の工場増設や生産増大が見込まれており、「国内企業同様、海外企業にも一挙にビジネスチャンスが急拡大することが予想される」と同紙は分析している。