経営コンサルタント・大前研一氏は、グローバル社会の中で活躍しようとするビジネスパーソンに「仕事で結果を出せる英語」を身に付けてもらおうと、学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学でオープンカレッジ「実践ビジネス英語講座」を開講している。
このたび大前氏が監修し、同講座のエッセンスを凝縮した『大前研一の今日から使える英語』(小学館)が上梓された。同書の中から、ケーススタディをもとにいくつかのコツを抜粋しよう。
「計画がうまくいくとは思えない」──を直訳して「I don’t think this plan will work」などと言ってしまう人は少なくない。だがこれは、懸念というより「うまくいかない」と決め付けているように聞こえてしまう。
あるいは「I don’t like this plan」という言い方では、好き嫌いで仕事をしているような印象を与えてしまう。そんな場面にふさわしい言い方は、「I have reservations about this plan」だ。reservationは「予約」という意味で覚えている人が多いと思うが、「懸念」という意味も持ち、ビジネスでは多用される。このように、ビジネスシーンにふさわしい英単語を身に付けること、一語一訳の発想にとらわれないことが大切だ。
たとえば「この問題」と言う時に、「this problem」ではネガティブな印象を与えてしまう。problemは、解決が難しいやっかいな問題というニュアンスを含むからだ。そんな時は「this issue」と言えば「一緒に解決すべき課題」というイメージが伝えられる。
※SAPIO2014年6月号