「店の前を毎日通っていましたから、楽しげな雰囲気は感じていたんです。でも1人で入る度胸がなくて、ずっともやもやとしていました。そんな気持ちを同僚に話したら、実は俺もそうなんだという者が、なんと2人もいたんですよ。それじゃ早速行こうよってことで、今日、念願の内田屋デビューです。いやあ、思った通り、酒がうまい。心が弾んでいます」(50代、団体職員)と、うれしそうな3人連れ。
「通って2年になります。こういうところではネクタイを外してひとりの男として飲むことにしています。仲間と来ますが、仕事の話はしません。むしろ知らない異業種の方々と積極的に話しますね。肩書き無用で話せるし、そのほうが世間をより知ることができますから」(50代、事務系)という2人連れ。
20人が精一杯という広さの店内は、そういった古参から新入生までのグループや、常連の独り飲みが、それぞれに満足しながら角打ちを楽しんでいる。