そんな王国を治めているのは、生粋の芝っ子である西山弘高さん(67)。明治後期から続く酒屋の3代目だ。
常連客の言葉を集約すると、「熱くならず、かといって冷めているわけでもない。“飄々”という言葉がぴったりの人。空気みたいというのかなあ、そこにいるのを見ると安心する」、そんな存在。
「つまみ。これがまた西山さんと同じような存在でね。食べてくれなんてアピールはないんだけど、それがあることで安心するんですよ」と常連の声。
角打ちにはおなじみの缶詰や乾きものの種類も揃っているが、温めたり盛り付けたりという西山さんの心づくしがうれしいお品書きが常に16種類並んでいる。