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心臓外科の信頼度は手術件数 公表していない医師は疑うべき

 大病院の医療水準は高く、町医者は低い──多くの人がそう思いがちだが、病院の「格」と医者の「質」はまた別である。

 大病院の善し悪しの判断にもポイントがある。町医者から紹介された大病院が本当に信頼できる病院か。自ら判断できる眼を養いたい。医師でジャーナリストの富家(ふけ)孝氏は語る。

「例えば心臓外科でいえば、手術件数の多い専門医のほうが圧倒的に信頼できる。決して大きい病院だからという理由で選んではいけません。手術件数はホームページを見れば掲載されている。

 例えばバイパス手術で200件以上あるなら、信頼してもよい。一方で、手術件数を公に公表しない医師は疑ってかかるべきです」

 病院のホームページを見て、手術件数、さらに医師個人の実績についてきちんと公表していないようなら要注意だ。特に後者の場合、医師が新しい技術や医療情報の入手に関して、怠っている可能性がある。

『「大病院信仰」どこまで続けますか』(主婦の友インフォス情報社刊)を上梓した長尾クリニック院長の長尾和宏氏がいう。

「肩書きに『○○専門医』という文言があるかどうかを見てほしい。医師免許は1度取得すれば一生使えますが、“専門医”の資格は数年ごとに更新しなければならない。そのためには学会発表や研修などの“単位”が必要になるので、『専門医』を維持していれば、その専門性を有している証になります」

 実際に診察を受けてみると、判断材料はもっと増える。医療情報学が専門の長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科・永田宏教授の話。

「紹介状があり、予約もしてあるのにやたらと待ち時間が長い国公立病院は、スケジュール調整がうまくいっていなかったり、あるいはドクターの勤務管理がしっかりしていないことも考えられる。医師によっては1時間くらい平気で遅刻してくる人もいる。待たされたら、疑ってしかるべき」

 医師が診察の時に自分の名前を名乗らない、すべての検査結果が出ていないにもかかわらず、ありそうな病名をあれこれ挙げて患者を不安にさせる医者も信用できない。

「『トラブッた時に面倒くさいから』と名乗らない医師が本当にいるんです。また、患者が『他の先生の意見も聞いてみたい』というのを嫌がる医師も要注意です。自信のある医師なら『他の医師の意見もぜひ聞いてみてください』と言うはずですから」(富家氏)

 また、今はカルテも電子化され、検査結果なども医師がコンピュータでチェックするようになっているが、

「担当医は、こっちの話を聞いているのかいないのか、ずっとタブレットとにらめっこ。症例を調べているのかもしれませんが、とても不安になった」(30代男性)

 というように、患者の目を見ない、患者の話を聞かないような医者にも注意が必要だという。

※週刊ポスト2014年6月20日号

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