ビジネス

【日本株週間見通し】GPIF改革や成長戦略への思惑で先高期待

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の6月9日~6月13日の動きを振り返りつつ、6月16日~6月20日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均はこう着。足元の上昇に対する過熱警戒感が強まるなか、週初に約3ヶ月ぶりに15200円を回復した日経平均は、その後は日銀の金融政策決定会合や先物・オプション特別清算指数算出(SQ)を控え、利益確定の流れに。イラク情勢など地政学リスクの高まりが嫌気されるなか、米国市場の調整や為替の円高基調なども利益確定の流れに向かわせた。

 一方、個人主体の売買は引き続き活発であり、上昇を主導していたミクシィ<2121>は一服となるものの、他のゲーム株やロボット、バイオといったテーマ株への好循環物色が続いた。また、指数インパクトの大きいソフトバンク<9984>は強弱感が対立するなかで強さをみせたことも安心感につながったようだ。

 日経平均は週末のメジャーSQ、日銀の金融政策決定会合を通過し、その後急動意を見せる格好から前日までの調整部分を吸収する戻りをみせた。6月中に発表を控えている成長戦略への期待感が高まるなか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革のほか、法人税率引き下げに関する報道が相次いでおり、押し目買い意欲の強さが窺える。

 成長戦略について安倍晋三首相は、産業競争力会議において「日本経済が一変するとのメッセージを強力に打ち出していくためにも骨太な政策に絞り込んでまとめてもらいたい」と述べた。また、GPIFの米沢康博運用委員長は、損失リスクは高いが、高収益も見込める株式などの比率を増やすことに意欲を示した。

 また、株式の比率をどれくらい引き上げるかは慎重に検討とするものの、国内債券の比率を30~50%程度に引き下げるというイメージは持っているとしており、先高期待は強いだろう。8月にはベンチマークの一つであるJPX日経400の銘柄入替えも控えており、高ROE銘柄への関心は日々高まることになりそうだ。また、企業側についても、株主総会等でROEの上昇を狙った株主還元策などが打ち出される可能性も。

 イベントとしては17、18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)が継続されるとの見方はコンセンサス。ただ、足元で弱い経済指標の発表が続くなか、利上げ開始見通しについて変化が出てくる可能性がある。米債券や為替市場への変動要因となり、注意が必要か。そのほか、18日に米アマゾン・ドット・コムが新製品の発表を行う予定であり、3Dスマートフォンの発表が予想されている。

 そのほか、16日にはニュートン・フィナンシャル・コンサルティング<7169>、18日にはムゲンエステート<3299>の新規上場が予定されている。足元では個人主体の売買が活発となるなか、良好な需給を追い風に好スタートが期待されるところか。

関連記事

トピックス

今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
国仲涼子が語る“46歳の現在地”とは
【朝ドラ『ちゅらさん』から24年】国仲涼子が語る“46歳の現在地”「しわだって、それは増えます」 肩肘張らない考え方ができる転機になった子育てと出会い
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
インフルエンサーの景井ひなが愛犬を巡り裁判トラブルを抱えていた(Instagramより)
《「愛犬・もち太くん」はどっちの子?》フォロワー1000万人TikToker 景井ひなが”元同居人“と“裁判トラブル”、法廷では「毎日モラハラを受けた」という主張も
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン
千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン