では、中小の運送業者では、どれほど過酷な労働が待っているのか。
「まずドライバーが足りなければ、女性といえども中距離や長距離を乗らされるし、残業もざら。
荷物の運び先はあっても、帰りに積むものがなければカラで戻ってくるわけにはいかないので、逆方向の県まで手摘みの重い荷物を取りにいったり、ひどい場合はSA(サービスエリア)やトラックターミナルなどで夜を明かしたりすることもあります。
そもそも、燃料費や物流費の削減でなるべく高速道路を使わないよう指示している業者が多いため、下道で渋滞や工事に巻き込まれて定時に戻れない場合も多い。コンビニでトイレを借りつつトラックで仮眠しようと思っても、エンジンをかけっ放しだと近所からクレームがくるので、夏でも蒸し風呂のよう。
そこまでして給料が安いとなったら、なかなか女性ドライバーが定着するのは難しいかもしれません」(Aさん)
かつては日本を縦断する長距離専門のトラックやバスのドライバーなら、「年収1000万円はラクに稼げた」(Aさん)というが、現在、運送業の平均月収は約34万円(2013年度/厚労省調べ)で、建設業や製造業を下回っている。
やはり、「本業=トラック運転手」のトラガールが増えるためには、いくつもの高いハードルが立ち塞がっているようだ。