2022年の冬季五輪開催地の第1次選考結果が発表され、立候補をしていた中国の北京やカザフスタン・アルマトイ、ノルウェー・オスロの3都市が第1次選考を通過した。北京は河北省張家口との共同開催だが、PM2.5(微少粒子状物質)などの大気汚染問題もあり、一時は絶望的と見られていたが、オスロと競っており、意外に健闘しているようだ。
昨年11月に立候補を申請したウクライナ・リビウとポーランド・クラクフ、スウェーデン・ストックホルムは今年に入って立候補を断念している。
残った北京などの3都市のいずれも脱落しておらず、国際オリンピック委員会(IOC)は今後、提出される詳細な立候補ファイルなどを検討し、来年7月31日、クアラルンプールでの総会で最終決定される。
3都市をみてみると、アルマトイはカザフスタン最大の都市で経済の中心。2011年に冬季アジア大会を首都アスタナと開催し、2017年の冬季ユニバーシアードの開催地にも選ばれており、大会開催地として実績を積み重ねている。冬季五輪の開催地に選ばれれば、中央アジア諸国では初の開催となる。
オスロはノルウェーの首都で開催が決まれば、1952年のオスロ五輪以来70年ぶり2度目。同国としては1994年のリレハンメル五輪以来、28年ぶり3回目。
北京では主に氷上競技を行ない、張家口で雪上競技を行なう計画。開催地に選ばれれば史上初の夏冬両大会の開催地となり、冬季五輪としては同国初。
第1次選考でそれぞれの評価が発表され、アルマトイは全体的に低い評価にとどまり、北京・張家口は雪不足を指摘された。オスロは会場計画や大会開催実績など14項目の多くで最高の評価を得たが、政府支援と国民の支持では最下位となった。
このため、北京とオスロが競い合う形となり、北京が意外に健闘している印象が強い。冬季であるため、北風が強く吹けば、PM2.5などの大気汚染物質も吹き飛ばされる可能性が強い。また、人工降雨剤を使って、雨を降らせれば、雪不足の懸念も解消できるのではないかとして、「可能性がまったくないわけではない」と中国メディアは伝えている。