国際情報

中国の相当エラい人 普段はチヤホヤされるが失脚で「クルッ」

 中国最高指導部の元メンバーで、重大な規律違反により立件が決まった周永康・元政治局常務委員の母校、中国石油大学のキャンパスに掲げられていた周氏の手になる校訓の題字が周氏の失脚後2週間で撤去されていたことが分かった。

 米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイト「多維新聞網」が報じた。権勢が盛んなときは擦り寄っていくが、いったん失脚すると、「クルッ」というネットにおけるアスキーアートのごとく掌を返したように冷たく接するという中国独特の非情さを浮き彫りにした行為といえよう。

 周氏の題字は同大の校訓である「厚積薄発 開物成務」という8字成語。「長い間、努力すれば、すべては成し遂げられる」と解釈され、昨今の努力もしないで、要領だけで、物事を成し遂げようという風潮を暗に批判している。原典は中国の古典の「易経」による。

 周氏は2012年9月に同大を訪問した際、同大学長から「校訓として、何か書いてほしい」との求めに応じて、この8字成語を披露し、成語のあとに「周永康」と自らの名前を添えたという。

 大学側はこの書を写真撮影し、20mほどに大きく引き伸ばして、キャンパス内の新総合棟入り口に飾っていた。

 ところが、7月29日に周氏が「重要な党の規律違反」により、失脚したことが報じられると、大学側は題字の最後にあった「周永康」との名前の部分を隠し、8月14日は巨大な題字そのものを撤去してしまった。

 これについて、ネット上では「これらの行為は歴史そのものであり、何らおかしいことではない。追従者は永遠に追従者であり、(題字撤去という)このような行為は道理に叶っている」との書き込みがある一方で、「中国社会には、民主や自由は一切ない。まるで、黒社会(やくざの社会)のようなものだ。それに対して、台湾を見よ。陳水扁(台湾元総統)は刑罰を受けたが、いまだに陳水扁が書いた額や題字はいたるところにある。(台湾には)撤去する人はおらず、敢えて撤去しようとはだれも思わないのである」と書き込まれている。

 周氏が最後に公の場に姿を現したのは昨年10月の同大のイベントだったが、その際、周氏は自身の手になる題字が撤去されることになろうとは想像だにしなかったに違いない。

関連キーワード

トピックス

【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン