ビジネス

大和ハウス工業会長 ビジネスマンは語学より日本の歴史学べ

 スーパーゼネコンを上回る売上高と利益規模で建設業界をリードする大和ハウス工業。カナダの出版社による「世界で最も持続可能な100社」に4年連続して選ばれている。同社の急成長を牽引した樋口武男・会長は、「ビジネスマンは、日本の歴史と会社の歴史を学ぶべき」と語る。

※聞き手/永井隆(ジャーナリスト)

──人材が成長の要であることはどの企業でも共通しています。特にリーダーとなるビジネスマンの存在が求められています。

樋口:私は人を見る時に「公平」「公正」「無私」「ロマン」という観点を重視しています。

 さらに、リーダーには4つの力が必要だと思っています。それは「先見力」「統率力」「判断力」そして「人間力」。すべてを兼ねる人はなかなかいませんが、特に最後の人間力は大切だと考えています。私は弁護士でさわやか福祉財団会長でもある堀田力さんに共感する部分が多いのですが、堀田さんの著書『「人間力」の育て方』には、要約すると次のようなことが書かれています。

 人間力とは「生き方を自分で決めて、その通りに生きていこうと取り組んでいく自身を持つ」ことであり、それは知性・理性・感性で構成され、人それぞれに中身は違う──。

 志を持ち、部下を引っぱっていける力といえるでしょう。それには夢を語ることです。志があれば、自分も部下も辛い場面を乗り越えることができるし、成長できる。

──シンプルですが、なかなか難しい。

樋口:最近は「ブラック企業」という言葉が話題になっていますが、そうした企業には夢や志がないのでしょう。残業代も払わないような違法な長時間労働は論外ですが、たくさん働いても志があって成長したいと思えば辛くとも乗り越えることができるはずです。

 私は、ビジネスマンは「歴史」を学ぶべきだと思います。先人たちの志を知り、それをどう成し遂げたかを知ることです。

 特にグローバルに活躍する人や企業ほど、日本の歴史を知り、家族や故郷に誇りを持つべきです。英語は確かに大切ですが、語学力以上に「自分が何者であるか」が問われます。国際社会では故郷に誇りを持たない人は信用されません。そのためにも日本を知り、歴史を学び、先人たちがどんな志を持っていたかを知るべきだと思います。

関連キーワード

関連記事

トピックス

この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
元・明石市長の泉房穂氏
財務官僚が描くシナリオで「政治家が夢を語れなくなっている」前・明石市長の泉房穂氏(62)が国政復帰して感じた“強烈な危機感”
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン