確かに“空飛ぶハイヤー”は贅沢すぎる乗り物かもしれないが、グローバル競争が激しい今日において、ビジネスジェットのメリットを指摘する声があるのも事実だ。
「たとえば経済成長が著しいアジアの新興国に日本企業が進出する際、定期便を乗り継いで交通の便が悪い場所に出張するより、ビジネスジェットで素早く移動して交渉のテーブルに着いたほうが大事なビジネスチャンスを逃さなくて済むケースもあるでしょう。
また、ビジネスジェットを利用することで企業の機密情報やトップのプライベートが守られるといった面もあります。
時間をお金で買うという感覚が根付かない文化ではありますが、もう少しビジネスジェットに対する敷居を低くしてもいいと思います」(前出・森崎氏)
韓国の空港には、LGやサムスンといった企業用の格納庫があり、ビジネスジェットが常に待機しているという。日本の国際競争力低下を防ぐ意味でも、ビジネス航空への理解促進は不可欠なのかもしれない。