我が家の愛犬を少しでもよい子に、と願う飼い主が増えるのにあわせトレーナーやインストラクターも増加中。そうすると、あちらへ頼んだらよかった、こちらは効果がなかったなど、様々な評判も飛び交う。いったい、どこへ頼んだらよいのか。
犬のしつけ教室・Can! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導する西川文二氏が、少なくとも頼んではいけない犬のトレーナー、インストラクターの見分け方を解説する。
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各ジャンルの専門家が、サイトでアドバイスを行う。その専門家「ドッグトレーナー」の一人としてぜひ、とその昔、声がかかった。
しかしながら私めは「家庭犬しつけインストラクター」。「トレーナー」なる肩書きでは、引き受けられない。そう申し出たらそのサイト、「しつけインストラクター」の肩書きも用意してくれた。
しばらくしたら、不思議なコトが起きた。トレーナーと称してた人たちの多くが、インストラクターへと肩書きを変更したんですわ。
なんでそんなことが起きたのか…なんとそのサイト、犬を預かる人はトレーナー、預からない人はインストラクターって、定義しちゃったんですな。
預かろうとそうでなかろうと、自らが犬をトレーニングする人はトレーナー。インストラクターは、飼い主にわかりやすく説明し、やって見せて、やってもらって、もっと良くなるよう指導する専門家。家庭犬のしつけを学ぶべきは、もちろんインストラクター。なれどトレーナーがインストラクターと名乗ってることもあるご時世、もはや肩書きは当てにならん。
じゃぁ、誰に頼めばいいの、ってなりますわな。そこで少なくともこういう人には教わっちゃいけない、ってな見分け方をばひとつ。
「首が締まる金属の首輪を使用してたり、コインなどを中に入れた缶を犬に投げつけたりする人は、誰であれ避ける」ってのが、ソレ。
実はこないな趣旨の話を今年の臨床獣医学フォーラムで、獣医動物行動学専門医の入交眞巳(いりまじり・まみ)さんがしてた。その受け売りってことなんですけどね。見た目でわかる、誰でもわかる、ってのがよろしい。
要は、罰を重視してる人には頼むな、ってこと。攻撃性を高める可能性があるなど、罰の弊害は過去にお伝えしてる通り。結果的に、自分の首を絞めることにもなりかねませんからね。ぜひ、ご参考に。
※週刊ポスト2014年11月28日号