アベノミクスの是非を問うという今回の総選挙だが、事前の予測では自公有利で、野党にとっては厳しい戦いとなりそうとの声が多い。そこで、週刊ポストでは名物企画「老人党座談会」を実施。村上正邦氏(元自民・82歳)、矢野絢也氏(元公明・82歳)、筆坂秀世氏(元共産・66歳)の3人の政界大物OBが、現在の野党について語った。
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村上:しかし、野党はだらしがないよ。民主党なんて過半数を取るだけの候補者を立てられない状況で、野党の共闘も中途半端だ。
矢野:野党で結集しようにも、旗になる人物がいないね。風も吹いていないし。言い方は悪いけど野党は雑魚みたいなのばっかりや。
安倍さんがやってきた金融緩和なんかで利益を得たのはほんの1%の人だけで、一般庶民は円安の物価高に消費増税も加わって、相当生活が苦しくなっている。その鬱憤の受け皿になる野党がない。国民に対する野党の犯罪的な背信ですよ。
村上:その通り(と拍手)。
矢野:だいたい野党の政策なんて大した違いはないんです。それをえらい違いがあるかのようにグダグダと。野党が政策の違いで揉めたって、どうせ実現できないんだからナンセンスですよ。そんな寝言は政権取ってからいえって(笑い)。「ストップ安倍政治」だけで集まればいいんです。
村上:そうそう、政策じゃなくて姿勢で共闘すればいい。共産党だって共闘すればいいじゃないか。なァ、筆坂さん?
筆坂:共産党は小選挙区では勝てないから比例でどれだけ取れるかだけを考えている。野党共闘に参加すると比例票が集まりにくくなるという読みで参加しない。
矢野:それじゃあ共産党が化石みたいになってしまうわけでね。
筆坂:ええまあ、そういうことです(苦笑)。
矢野:ですから、ここはやはり、海江田さん(万里・民主党代表)が礼を尽くして代々木の共産党本部まで行って、三顧の礼でお迎えすべき。頭を下げてにこやかに共産党を受け入れることが野党第一党の矜持というか、責任感の表われなんですよ。一方の共産党もいくつかでも協力すれば評判が上がって、絶対に票は増えると思いますよ。