ヤマト運輸は今年の8月、女性配送員を今後3年で5割増員し、2万人体制にすると発表し、佐川急便も今後2年で1万人の主婦パートを採用することを決めた。数百円の爪切り1つでもネット通販で注文する時代。荷物の小口化と軽量化が進む中、居住地周辺の地理に詳しい主婦層を戦力にすれば、配送を効率化できる。具体的にはドライバーを司令官として、パート主婦たちが1人30個ほどの荷物を持って各配送先に届けて回る形だという。
再配達問題も改善され始めている。ヤマト運輸では、不在時に荷物を近所のコンビニに預けて、受け取り主が自分で取りに行くサービスが好評だ。再配達の時間が過ぎていても、24時間いつでも好きな時に荷物を受け取れ、ドライバーも何度も同じ留守宅に行かなくて済む。
さらに、技術革新が進めば、将来的にトラックではない輸送手段も出てくるかもしれない。角井氏がいう。
「アメリカではアマゾンが、タクシーや無人航空機を使ったりする配送を、グーグルは自律走行車を活用した配送を試験運用しています。人材育成と共にこうした技術革新が進めば、宅配サービスはまだまだ発展するはずです」
※週刊ポスト2014年12月19日号