ザック通訳・矢野大輔さん 多忙な4年間を支えた家族円満の秘訣とは


――イビチャ・オシム監督の通訳を務めた千田善氏は「(クタクタで)日記をつける余裕なんてなかった」と語っています。19冊もの日記を付けるのは大変でしたよね。

矢野:前に述べたようにサッカーが好きだという気持ちが一番だったのですが、書くことで思考が整理されていった面もあります。書いているうちに、あ、こういうふうに伝えたほうがわかりやすいな、次はこうしてみようと、通訳自体が変わっていったんです。言葉で思考を整理していくことの大切さに気付きましたね。今後、どんな仕事をしても、これは役立つと思います。

――ザッケローニさんは矢野さんに「モウリーニョになれ」と言っています(現チェルシーの監督であるモウリーニョは、通訳からキャリアを始めた)。展望はいかがでしょう。

矢野:監督の真意はわかりませんが、恐らく、通訳をのせるためにかけてくれた言葉だと思います。ザッケローニさんは人をのせるのが上手い、理想的なリーダーなので。

 もちろん、ぼくは監督の近くで英才教育を受けましたから、どんな形であれ、それを今後のキャリアに活かしていきたいとは思っています。監督になるかはどうでしょう……。サッカーの現場の緊張感、高揚感、勝ったときの喜びは、他の何ものにもかえがたいものがあるので、そういう世界に身を置いてみたいという願望はあります。規模は身の丈にあったものになるとは思いますが。

――多忙だった4年間は、家庭の支えも大きかったと書かれていますね。家族円満の秘訣を教えてください。

矢野:そうですね、下の子は代表通訳をしている間に生まれましたから、生まれてからの成長はほとんど見てないでんすね。そんな状態での家庭円満の秘訣は……、嫁をリーダーにすることですかね(笑)。この4年間はザッケローニさんに忠誠を尽くし、嫁にも忠誠を尽くし、かけがえのない日々を送ることができました。

■矢野大輔(やの・だいすけ)/1980年7月19日、東京都生まれ。セリエAでプレーするという夢を抱き、15歳でイタリアに渡りトリノの下部組織でプレー。22歳でトリノのスポーツマネジメント会社に就職。デル・ピエロを始めとするトップアスリートのマネジメントや企業の商談通訳やコーディネイトに従事する。2006年から2008年にトリノに所属した大黒将志の通訳となる。2010年9月、ザッケローニ日本代表監督就任に伴いチーム通訳に。ブラジルW杯終了後、監督の退任とともに代表チームを離れた。1月13日に新刊『部下にはレアルに行けると説け!!』双葉社)が発売。

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