“ムロケン”こと喫茶店のスピリチュアルマスター・室井健助さんが、元アイドルで“昼ドラの常連”といわれる演技派女優の北原佐和子さんを霊視。北原さんは、可憐な表情の裏に隠された苦悶の時代を、激白してくれました。
華やかな女優業と並行し、3K(きつい、給料が安い、汚い)と呼ばれる介護の現場に立ち続けている北原。やりたいこと=介護だという理由とは――。
北原:みなさんに聞かれるんですけど、しっかり話そうと思うと、幼少期のことから話さないといけなくて…。
室井:短く言うと、あなたは親からの愛情が足りていないのです。だからお年寄りに優しくされると癒されるんですよ。いい恰好をしているわけでもなく、それがあなたの本心。学校に行っても隅の方にいて、前に出ず、学校に行きたくないと思っていたのが視えます。
北原:はい、毎日学校に行きたくなかったです(苦笑)。だから毎日泣いて帰っていました。でも、そのまま家に帰ると母から「なんで泣いて帰ってくるの! 泣きやみなさい」と言われて、すごく苦しかったんです。
そんな時に裏の家のおばちゃんが「どうしたの?」って声をかけてくれたのがすごくうれしくて…。私がやりたいことは、そんなおばちゃんのように、誰かに寄り添える存在になることなんです。
介護のほかにも今、ボランティアで、学校やいろいろな施設で朗読会を行っているんですが、最初は目を見てくれない子が、寄り添っているだけで最後はこちらに笑いかけてくれるんです。当時の自分を見ているみたいで…。
室井:人に優しくされたかったから、人に優しくしたいんですよね。
北原:はい。でも今思えば、母もいろいろなストレスを抱えていたと思うんです。うちは妹の体が弱くて、母は妹にずっとつきっきりで、病院通いをしていましたから…。でもお留守番をしていた私が、やっと帰ってきた母に抱きつこうとすると、はねのけられてしまって。自分は甘えちゃいけない子なんだって、ショックで。
大人になって和解できたら、と何度かチャレンジしたんですが、簡単には取り戻せないですよね。母も今さらどうしていいかわからないみたいで…。
室井:お母さんも幼少期に親から愛情を注がれていなかったから、子育てをする自信がなかったようです。だから、お母さんにも北原さんにも罪はない。それでも人のために愛情を注ぎたいと思える北原さんは、本当に心が優しい。介護もボランティアも向いていらっしゃいますよ。
※女性セブン2015年2月5日号