国内

メルケル独首相は「中韓ロビーに毒されている」わけではない

 8月15日の戦後70年に発表するとされる安倍談話は、安倍シンパが「自虐史観」「土下座外交」と批判する日本政府の歴史認識を大きく転換させることを目指している。やや低迷している支持率の浮上を狙う意味もある。
 
 そのために、首相はブレーンである保守派の学者、財界人をメンバーに「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」(21世紀構想懇談会)という私的諮問機関を設置し、安倍談話の作成がスタートした。
 
 それに対し、国際社会ではそれを阻止しようとする包囲網が作られた。キーマンの1人がドイツのメルケル首相だ。メルケル氏はさる3月9日に7年ぶりに来日したが、官邸は彼女の動きに神経を尖らせた。
 
「メルケル氏には事前に日本の複数の新聞社が講演のオファーを出していたが、彼女が選んだのは読売でも日経でもなく、よりにもよって慰安婦報道の誤報を認めた朝日だった」(外務省筋)からだ(メルケル氏への講演依頼について読売は「そうした件には従来お答えしていない」、日経は「回答を差し控える」とした)。
 
 その朝日新聞主催の講演で、メルケル首相は安倍首相の歴史認識見直しには言及しなかったものの、ドイツの戦後処理を引き合いに出してこう語った。
 
「ヨーロッパでの戦いが終わった日である1945年5月8日は、解放の日なのです。それは、ナチスの蛮行からの解放であり、ドイツが引き起こした第二次世界大戦の恐怖からの解放であり、そしてホロコーストという文明破壊からの解放でした。私たちドイツ人は、こうした苦しみをヨーロッパへ、世界へと広げたのが私たちの国であったにもかかわらず、私たちに対して和解の手が差しのべられたことを決して忘れません」
 
 さらに岡田克也・民主党代表との会談で、「過去のことについて完全に決着をつけるのは不可能だ。常に過去と向き合っていかなければならない」と語り、慰安婦問題について、「東アジアの状況を考えると、日韓関係は非常に重要だ。きちんと解決した方がいいのではないか」と踏み込んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン