●「A」は、カテゴリーで、罪の重さではない。そしてあろうことか、「A」容疑者は、三十名から二十八名に減らされた。理由は、法廷に二十八名しか並ばせるスペースがなかったからだった。
 
●検察(連合国)側は、証拠なしでもOK。弁護(日本)側は、多くの提出証拠を不当に却下された。
 
●検察局が極東国際軍事裁判所に起訴したのが四月二十九日(昭和天皇天長節)、公判開始が五月三日、いわゆる『A級戦犯』の処刑が十二月二十三日(今上陛下天長節)という作為的計画。
 
●弁護(日本)側に有利な論述の時には、同時通訳を中止、記録を削除した。
 
●例えば「南京大虐殺」も、その証拠は全て「伝聞(ヒア・セイ)」で、実際に直接目撃した証人は、米国人宣教師のマギー牧師のみ。それも、憲兵に制止の声をかけられたにもかかわらず、逃げたために撃たれた、というものしかなかった。
 
 このように、東京裁判の問題点は枚挙にいとまがない。
 
 日本側の弁護に立った米国のブレイクニー弁護人は、「戦争は犯罪ではない。もし戦争が犯罪なら、原爆を投下した者、作戦を指揮した司令官、その命令にサインをした国家元首の名も挙げられる。彼らは、この法廷のどこにいるのか」と、裁判の不当性を論じた。それに対し、ウェッブ裁判長は、「この裁判は、検察側を裁くためのものではない」と、そう応じている。まさに、一方的な復讐劇だった。

※SAPIO2015年4月号

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