長男・勝之氏は過去のインタビューで、2005年に姉・久美子氏が役員を一度辞めた時には父との衝突があり、その時、母が久美子氏に「どちらかが辞めないと仕方ないわね」といったため、独立に繋がったと話している。
その千代子夫人は「会社は勝之氏に継がせたい」と思っていたようだ。こんな証言がある。
「家督を継ぐのは長男という考えの持ち主で、芯の強い女性です。自分は夫を支える形で会社を大きくしてきたから、女性の久美子さんではなく長男に、という気持ちなのではないか。ただ、今回の騒動が勃発した後、『こうなったのはあなたのせいよ』と珍しく会長を責めたと聞いている」(前出・同社関係者)
こんな話もある。この関係者によれば、ききょう企画代表を務める次女・舞子氏は茶道と日本舞踊の教室を主宰しているが、その茶道教室に最近も千代子夫人が訪れ、娘と稽古に励んでいるという。また5人の子供が住む住宅や日々の生活面で、「今でも子供たちは両親からの経済的援助を受けている」(同前)という。
先だって行なわれた会見での感情的な応酬とは裏腹に、プライベートの関係は損なわれていないとする証言だが、だとすれば経営をめぐる対立は双方にとって歩み寄る余地がない重大なレベルということなのか。
※週刊ポスト2015年4月3日号