実際、打撃に影響するほど二塁手はいろんなプレーが求められる。一塁のカバー、バントシフトでの動き、外野とのカットプレーなど、運動量はズバ抜けて多い。今岡は地肩が強かったので無理な体勢からでも送球はできたが、動きが逆ということが難しさを増した。
ダブルプレーはチームにとって大きい。選手時代はあまり感じなかったが、監督になるとダブルプレー崩れでランナーが残るのがものすごく嫌だった。失点に結びつくイメージがあり、特にイージーゲッツーが崩れると失点に結びついた印象がある。そのためには二遊間の守備をおろそかにできない。
捕手が扇の要なら二遊間は野手の要。捕手のサインと構えが見えるため、野手全部に守備隊形の指示を出せる。投手が捕手の構えと逆に投げていることで好不調もわかる。ベンチはデータに基づく守備隊形のサインしか出せないが、二遊間はリアルタイムでサインを出せる。だが、二塁手が好打者なら明らかにチームは変わる。そう考えると、どこまで守備力を犠牲にして打撃を優先すればいいかの答えはない。だから野球は面白い。
※週刊ポスト2015年4月10日号