芸能

介護歴10年の綾戸智絵 認知症の母に手作りおしゃれチェーン

母の介護を10年続ける綾戸智絵

 要介護認定者(要支援含む)が600万人に迫りつつあるなか、家庭内の担い手も仕事と介護の両立に四苦八苦している。そんななか、少しでも苦労を減らすアイデアグッズが多数開発されているが、著名人に聞く「介護の戦友」は──。ジャズシンガー・綾戸智絵が重宝しているのは、「認知症の母のおしゃれ心を満たした手作りのチェーン」だという。

 * * *
 90歳になる母の介護をかれこれ10年していますが、何が母を満足させるのか、反応を見ながら手探りの日々です。

 数年来、重宝しているのがネックレスを改良したチェーン。外食の時に、ナプキンを胸元で留めるグッズです。チェーンを後ろから首にかけて、両端のクリップで布をパチンと挟む。そうすれば、みなさんと同じようにお店のナプキンを使えるでしょ。

 市販の介護用エプロンも買いましたが、あの大きいビニールを母が嫌がるんです。「それを着けたい」と、お店のナプキンを指す。母の言葉に「そりゃあ、そうだよね」って。人生を謳歌して、歳を重ねて美的感覚も身につけた婦人なのに、赤ちゃんみたいなものを着けられたら尊厳が傷つきますよね。

 母は、私に幼い頃から瀬戸物を使わせていたんです。私はアニメキャラクター入りのプラスチックのコップが欲しかったのに、断固として使わせなかった。ミルクを飲むのも九谷焼とか有田焼です。子供心に「なんで?」と母に聞いたら、「(子供用のプラスチック製では)“割れる”ということを教えられないから」って。面白い人だな、と思いました。だから介護用エプロンを嫌がる姿にすごく合点がいった。子供みたいに食事のトレーニングをするようなグッズは母には使わせられないな、って。

 認知症の症状が進んで得意の編み物もしなくなり、あれもできない、これもできないと自立した生活を失っていく中で、今の幸せを聞いたら母は「おしゃれ!」と答えたんですよ。その一言も大きかった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

主演映画『碁盤斬り』で時代劇に挑戦
【主演映画『碁盤斬り』で武士役】草なぎ剛、“笠”が似合うと自画自賛「江戸時代に生まれていたら、もっと人気が出たんじゃないかな」
女性セブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
電撃閉校した愛知
《100万円払って返金は5万円》「新年度を待ったのでは」愛知中央美容専門学校の関係者を直撃、苦学生の味方のはずが……電撃閉校の背景
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン