近年はアニメや海外作品の映画プロモーションに、タレントなどを起用した“スペシャルサポーター”という手法が話題作りに一役買う一方、ファンからは「イメージが壊れる」「世界観をわかってないキャスティングだ」など、不満が出がちなことも多い。そうした例でもわかるように、人気作品であるほど“作品やその要素と離れた人を起用する”というのは、かなり難易度が高いのだ。
田辺画伯も作品を愛しているからこそ、「ファンに怒られるのではないか?」「世界観を壊してしまうのでは?」と、大きなプレッシャーを抱えていたという。しかし「これはアートであり、ミステリーでもある!」という直感を信じて交渉を重ねた結果、田辺画伯も快諾。多忙の中、制作期間1か月を費やして、渾身の作品を仕上げた。
「大好きなコナンの絵を描かせていただけるのはとても光栄でした。いつもは実在の人物などを描いているので、すでに絵になっている物を絵で描くのは大変でしたが、コナンの世界観を大切にしながら、多くのファンの方のイメージを壊さないように気をつけました。今回はオリジナルのポスターを見ながら描いたので、ほぼ忠実に再現できたのではと自負しています」というコメントにも、田辺画伯がプレッシャーに打ち勝って、満足のいく作品を仕上げられた自信のほどがうかがえる。
「現在340~350の劇場で、映画『名探偵コナン 業火の向日葵』を上映しています。一部の上映館では掲出がない場合があるかもしれませんが、多くの劇場で今回のオリジナルビジュアルをポスターやデジタルサイネージで、ご覧いただけると思います。
そして実際に作品をご覧いただいてから、このオリジナルビジュアルを見ると、担当者として『これはアートであり、ミステリーでもある!』と感じた点も、きっと、グッと、ご理解いただける…はずです!(笑い) ぜひ劇場に足を運んで、映画『名探偵コナン 業火の向日葵』と田辺画伯渾身のオリジナルビジュアル、両方を楽しんでもらいたいですね」(林原さん)