和田さんの指摘する通り、1世帯あたりのクリーニング支出額は月7164円で、10年前と比べて約3割減ったとのデータがある(2014年総務省調べ)。ファストファッションに代表される、“着捨て服”の普及もクリーニング需要の低下を招いているのかもしれない。
こうしてみると、保管付きクリーニングは、業者の生き残りをかけた付加価値サービスの一環といえる。利便性が高まることは消費者にとってはありがたいことだろう。
さて、冬物衣料の預け入れを決めた前出の主婦は、こんな不安を口にする。
「自宅のクローゼットにごっそりと空きができた分、冬までに衣類が増えて、いざ戻ってきたら収納する場所がないということにならなければいいですが……」
いくら衣替えの手間が省けても、普段から“断捨離”の意識は持ち続けたいところだ。