タブレット:仕事量が去年の3、4倍くらいになったので、収入もそれくらいになっていますけど、辞めるつもりはないんです。介護の仕事が好きだというのもあるんですけど、お年寄りって、担当者が変わるのを嫌うんですね。だから自分がいないと事務所まで来ちゃうそうで、「今日は来るの?」とか。長いと4、5年担当している方もいるんです。今担当しているメインの方が2人いて、80代のおじいさんと90代のおばあさん。この仕事が向いているのかなと思ったりもしますし。上司からは接し方がうまいと言われます。
――この人に出会って変わった、影響を受けたという芸能人は?
タブレット:大竹まことさんですね。ふと諭してくださったり。たとえば、誰かに嫌われたり干されたりしても、面白ければ、人間的に魅力があれば絶対に拾う人がいるからって話されていたことがあって。そういうのって深いなと思いましたし、捨て鉢な美学というか。そのくらいの感覚がないと、守りだけでは面白がられることもないだろうって。
――歌ネタ系の芸人さんで、ライバル視されている方は?
タブレット:ライバルという方はいないんですけど。歌ネタでは、どぶろっくさんはブレイクする前から浅草で一緒になったり、『あらびき団』(TBS系)に出ている頃から面白いと思っていて。センスもあるし、それが開花されて、マニアックなところでお笑いをしているのにメジャーにいかれているので、尊敬しています。芸風を崩していないので。
――クマムシさんがCDデビューされましたが、いかがですか?
タブレット:CDを出してすごく売れたということに関しては、ジェラシーを感じますね。歌のジャンルは違ったりするのですが。
―― 一発屋になる心配はしていますか?
タブレット:ないんじゃないかと思っているんですけど。今の露出もバッとオファーが来るわけではないですし。先を考えると、謎というか、そういう面があって、自分自身の引き出しを持ったほうがいいと思っています。
【タブレット純】
1974年8月31日生まれ。神奈川県出身。2002年、ムード歌謡の老舗グループ、和田弘とマヒナスターズに田渕純の名でボーカル加入。以後2年間、和田弘が亡くなるまで同グループで活動した。グループ解散後、ライブハウス出演などを経て、寄席・お笑いライブに進出。ムード歌謡漫談という新ジャンルを確立した。『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送)レギュラーなどで活躍中。