私的な目的であれば撮影やSNSでの共有も可能な国立科学博物館が、自撮り棒を「遠慮ください」の項目に加えたのはなぜなのか。
「今年の1月、2月ごろの海外から、特にアジアからの来館者で自撮り棒を使っている方が目立ちました。具体的にトラブルが発生したわけではありませんが、当館の特別展示室は狭いので込み合った場合に事故につながる可能性が高いことから使用禁止を決定し、3月上旬頃にホームページに明記しました。今のところポスターや貼り紙、パンフなどには記載しておりません」(国立科学博物館広報・常設展示課お客様サービス担当者)
今は使用禁止とアナウンスしていない施設やイベントも、自撮り棒について検討中のところが多い。今後は肩身が狭くなりそうな気配を察知してか、代わって新自撮りアイテム「セルカレンズ」が関心を集めている。スマホのカメラレンズにレンズを重ねることで、自撮り棒のように広い画角での撮影が可能になるからだ。自撮り棒と同じく、韓国でのブームが紹介されたのをきっかけに日本でもヒット商品となっている。
「テレビで紹介されてから問い合わせが増えたので、自撮り棒の隣に『セルカレンズ』コーナーをつくりました。画角が大きくなるワイドや広角のレンズが人気です。スマホにつけるレンズは商品としては以前からありましたが、安くても5000円はしました。いまは安くなって自撮り棒と同じくらいの価格帯で買えます。カラーバリエーションも増えているので本体の色にあわせて買っていかれるようです」(家電量販店販売員)
スマホに装着するタイプもクリップ、マグネット、吸盤から選べ、自撮り棒に比べてコンパクトに持ち運べる。
使用するアイテムは変わろうとも、自撮り(selfie)の流行はとうぶん続きそうだ。