芸能

デビュー10年目いきものがかり ヒット生み出す秘密に出身地

デビュー10年目をむかえた、いきものがかり

 5月13日に30枚目のシングル『あなた』をリリースした、いきものがかり。デビュー10年目となる今年は2年半ぶりに全国ツアーを行うなど、3人の勢いは止まりそうもない。長く、広い層から支持を得ている理由は何か。人気の秘密を音楽評論家の富澤一誠さんに聞いた。

 * * *
 ご存知のとおり、いきものがかりはボーカルの吉岡聖恵、ギターの水野良樹、山下穂尊の3人組です。彼らは等身大のリアリティーを歌詞に乗せているので、同世代の人たちの「私もそう思う」という共感を呼んで、今の人気につながっているのだと思います。

 これまでの時代を代表する女性ボーカルというと、50代の人たちが思い浮かべるのは松任谷由実、ユーミンですよね。たとえて言うなら、ユーミンは六本木や西麻布のような街を外車で回るような、そんなお洒落さがありました。実際に、夏は湘南、冬は苗場がかっこいいというイメージを定着させました。

 続いて現れた女性ボーカルが、DREAMS COME TRUEの吉田美和です。こちらは渋谷や下北沢のような街を自転車で行くような親しみやすさがありました。ユーミンと同じく、一歩先のライフスタイルを提唱しました。

 そしていきものがかり。彼女たちは外車でも自転車でもなく、原宿の街を仲のいい友達と一緒に歩くような楽しさがあります。

 メロディーのセンスもいいですね。聴いていて馴染みやすく、カラオケでも歌いやすい。CMでよく使われるのは、サビがとてもキャッチーだからです。

 私はいきものがかりを「サテライト・ポップス」の代表的アーティストだと思っています。サテライトというのは、サテライトシティ(衛星都市)から取っています。彼らは神奈川県の海老名市と厚木市の出身。自分たちの住んでいる町は都会ではないけれど、電車に一時間も乗っていれば都心にも出てこられる。そんな場所で育った彼らは、都会のことも地方のこともよく知っています。彼らが都会っぽい洗練された曲も、田園風景を思わせるどこかなつかしい感じの曲も作れるのは、サテライトシティで育ったからなのだと思います。

 一回売れるとそれですべてを出し切ってしまい、次に続かなくなるアーティストもたくさんいますが、彼らは変わらず精力的に曲作りをしています。これはまだ自分たちの表現したいことを出し切っていないということです。彼らの勢いはまだまだ続くでしょう。新曲の『あなた』は、ただのラブソングではありません。歌詞のラストフレーズに、しあわせを願う言葉があるように、強い意志を持った前向きのメッセージになっています。いうならば<ラブ・メッセージ・バラード>で、新しいチャレンジです。『あなた』を聴いて、「いきものがかりはこれからも新しい世界にチャレンジしていくんだ」という意気込みが伝わってきました。

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン