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高野山便所で巨大な目に凝視の体験 住職は「天狗ちゃう」

 夏になるとよく耳にするのが、背筋が凍るようなちょっとコワーイ話。残暑も涼しく感じられる恐怖体験をお届けします。37才のパート女性が語ります。

 * * *
 小学2年生の夏休みのこと。私は父の仕事の関係で、和歌山県・高野山にある寺に泊まったことがありました。

 その寺のトイレは屋外にありました。木製の粗末な小屋で、なんだかおっかなかったのですが、夜中に目が覚め、どうしても我慢できなくなってしまいました。

 両親を起こすのも悪いと思い、勇気を出して、1人でトイレに向かいました。すると木の上から、何か大きなものが走り回っているような音がするのです。背筋にゾゾゾと寒気が走りました。

「やっぱり誰か起こして、ついてきてもらえばよかった」

 そう後悔しながら、トイレのドアを開けました。

 そのトイレは、汲み取り式で、屋根の近くの壁に、においを逃がすための隙間が空いていました。縦の長さは20cmくらい、横は1mくらいあったでしょうか。

 用を足した後、早く出たかったのですが、なんとなく気配を感じて上を見ました。

 すると、その隙間いっぱいの大きな目玉が、ギョロリとこちらを凝視していたのです。その眼は血走っていて、黄色くよどんでおり、キョロキョロと動いていました。

 私は怖くて、大声で叫びながら母屋に戻りました。

 翌日、その話を両親にしましたが「夢でも見たんだろ」と取り合ってもらえませんでした。でも住職や寺の人は口々に、「天狗とちゃうか」

 と、さして驚いた様子もありません。どうやら、そのあたりには、昔からよくお化けが出るようでした。

 寺からの帰りも、うっそうと茂る林を抜けるまで、私だけが、誰かの視線を感じていました。あれも天狗だったのでしょうか。それ以来、その寺は訪ねていません。

※女性セブン2015年9月3日号

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