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パティシエ情報誌編集長 『まれ』の店のやり方では経営続かぬ

 知られざる専門誌・業界紙の世界をあなたに──。今回はパティシエのための情報誌を紹介します。

『Attention(アトンション)』
創刊:1988年
発行:毎月27日発行
部数:5000部
読者層:個人洋菓子店、ホテル菓子部、製菓素材・機器メーカーほか
定価:1620円
購入方法:全国の製菓材料問屋、発行元「ケイ・プランニング」に直接注文。

 女の子が、将来就きたい職業の第1位は「ケーキ店」。パティシエ人気は、調査開始以来16年、ずっと変わらず、あこがれの仕事であり続けている。実際、製菓学校の生徒の多くは女性だそう。

 NHK連続テレビ小説『まれ』の主人公・希(まれ)もそのひとり。今月26日の最終回に向けて、希の洋菓子店が軌道に乗るか、気になるところだが、それ以前に「希の修業した横浜の店『マ・シェリ・シュ・シュ』のようなやり方では、店を続けていくのは難しいですね」と言うのは、伊東敬三編集長(68才)。

 理由はいくつかあるが、「あの店主ではお客はついてこないし、従業員も居つきません。ただでさえ長時間労働で、休みも少ない。月曜日に雇った新人がその週の金曜日には辞めてしまうこともあるほどなんです」と言う。

 希が修業した店のオーナーは、近所へ買い物に行けとでもいうように、「フランスに行ってこい」と言いつけたが、「そんなに簡単ではありません」と伊東さん。

 同誌の連載に、『私の海外修業』がある。

 薬剤師から転身してパティシエになったMさんは、ドイツに渡るまでのいきさつと9年の修業時代を語り、思い出の一品のレシピと完成品を載せる。

 さらに、《海外修業に行く前には…》で、これから修業に向かう人のためのガイドをする。

〈●修業先は…日本から知人の知人へと辿り、働けるお菓子屋さんを紹介してもらいました。

●資金面は…出発前に用意したのは30万円ほど。お給料があるので生活はできました。

●語学は…出発前も勉強しましたが、現地ではうまく話せず、個人の先生に習いに行きました〉

 そして、〈独立してからは、ドイツのことは比ではないほど大変なことの連続ですが、しかし当時のことを思い出すと、必ず解決できると思えるから不思議ですね〉と、Mさんはインタビューの最後を結ぶ。

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