金融関係者や個人投資家が欠かさず読んでいる「日経」とは別の“新聞”がある。その名も『日刊闇株新聞』。「世界の出来事を独自の見解で読み解く刺激的金融ブログ」と謳う金融情報サイトだ。
投資情報を提供する「カブ知恵」の藤井英敏・代表も熱心な『闇株新聞』の読者である。
「市場関係者の関心が高い旬なトピックの裏側がリアルに描かれている。たとえるなら、美味しいレストランを知っているだけでなく、その厨房の中まで知り尽くしている感じ。経済だけでなく政治、国際情勢などにも精通しないと書けない内容に驚かされる」
2010年にスタートした『闇株新聞』は株や為替などの経済情報だけでなく、経済事件や騒動の内幕にも舌鋒鋭く迫る無料ブログだ。
2012年には有料メルマガ『闇株新聞プレミアム』もスタート。ここではよりディープな経済情報や投資情報に言及している。
『闇株新聞』を発行するA氏は、取材から毎日更新される記事の執筆まですべて一人で行なう。人物像やプロフィールはほとんど明らかにされていない謎の人物だが、その見識や視点、情報の正確さには経済の専門家も舌を巻く。
今回、本誌の取材に応じた発行人のA氏はブログの内容に絶対の自信を持つ。
「新聞報道だけでは経済事件の裏側は絶対にわからない。マスコミが報じない“真相”を伝えようと思ってブログを始めた」(A氏)
『闇株新聞』を一躍有名にしたのは2011年に発覚した「オリンパス事件」だった。一流企業が巨額の粉飾決算に手を染めた同事件について、『闇株新聞』は、事件の背景や「飛ばし」と呼ばれる損失隠しの具体的手口を次々と暴露した。どの新聞やニュースよりも詳しく報じた上、後からそれらの情報がすべて真実だったとわかり、業界が騒然となった。