あまりに同ブログの記事が正確だったため、「筆者は内部情報に精通した実務経験者としか思えない」(大手証券アナリスト)とA氏の正体探しが始まった。
『闇株新聞』はオリンパス事件だけでなく、証券最大手・野村証券の内部情報にも精通しており、A氏を「オリンパス」および「野村証券」の関係者と疑う声もあったが、本人はこう答えるのみだ。
「私があの時、事件の情報を知り得ることができていたとしかいえない。読者に先入観を持たれたくないので、今も経歴の公表は控えている」(A氏)
その注目度はどんどん上がっている。欧州危機、チャイナショックなどで株価が乱高下し、情報の信用性が問われるなか、A氏の分析力への支持は高い。
日本企業の動向にも詳しく、不祥事や経営悪化が世に広まる前からソニーの経営者問題や日本マクドナルドの経営危機を取り上げ、警鐘を鳴らしていた。
「アベノミクス以降も株のプロたちの評価は上がっている。著名なアナリストや日経新聞をはじめとするマスコミ関係者、果ては金融当局の担当者まで『闇株新聞』をこっそり熟読してネタ元にしているほどだ」(前出・大手証券アナリスト)
知られざる経済界の“必読紙”なのだという。
※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号