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アジアで人気の「ユーズド・イン・ジャパン」リサイクル商品

 業界紙、専門誌のめくるめく世界をあなたに。より細密に、より深く──。今回は、リサイクル業界の専門誌を紹介します。

 * * *
『リサイクル通信』
創刊:2000年
発行:毎月10日、25日発行
部数:2万部
読者層:リサイクルショップなどの古物商
定価:年間購読料1万3000円
購入方法:発行元・リフォーム産業新聞社に直接注文。

“リユース品”。今は、中古品、リサイクル品をそう呼んで一大マーケットを形成しているそうな。本、DVD、カメラ、家具、家電、ブランドバッグ、宝飾品、スポーツ用品…。なんでも売買されている中で伸びているのが、衣料品。

「ファッション関係の専門学校の学生に好きな洋服を聞いたアンケートでは、いくつかのブランドの中に“古着”が入ってくるんですよ」

 瀬川淳司編集長(37才)は、アラカンの記者に、「靴のリユース品の売買も増えていますよ」と言う。

「新品が足になじむまでのひと山が超えられなくて新古品状態で手放す人がいれば、それを待って買う人がいます」

 特に3.11以降は、「ものを大切に」という風潮が広がって、中古品を売ったり買ったりするのは“賢くてかっこいい”ことになったそう。

  その延長線上にあるのが、昨年9月に、ある会社が発信し始めた“断チャリ”だ。断捨離とチャリティーを合わせた造語で、同誌でもこれに絡めて、『“捨て場”を失った不要品 換金して世界を支援』と題し、特集記事を組んでいる。その仕組みはこうだ。

〈ドナー(出品者)から不要になったブランド品の寄付を募り、それを…販売。売上げの全額をNPO法人に寄付する。…善意だけに訴えず…商品が売れて売り上げが寄付されると、各NPOからドナーに寄付金証明書が届く。ドナーは確定申告の際にこれを申告すれば、寄付金の最大50%の税金が控除され返還される〉

 人形やぬいぐるみなど、ゴミとして捨てにくいものの寄付を募っている会社もあって、それらがタイなどのリサイクルショップで、値段がついて売られているという。

“メイド・イン・ジャパン”がブランド化したように、“ユーズド・イン・ジャパン”が今や各国で話題を集めている。直訳すると「日本で使われたもの」という意味で、「いいものをきれいに使っている」と、東南アジア諸国を中心に人気が高く、業者がわざわざ買い付けに来るのだとか。

 買い付けは、国内のリサイクル業者にとっても生命線。同誌では毎月、翌月の『古物市場開催日程』を掲載している。

 家具、ブランド、宝飾、美術品、骨董などに特化した市場もあれば、売り物が多岐にわたる大市場もある。すべて、古物商許可証を持った業者だけのオークションだが、瀬川さんは何度も取材で訪れている。

「エルメスのバーキンがズラーッ。ロレックスの時計がズラーッ。それがひとつ平均、6秒で競り落とされていくのは圧巻ですよ。取材を忘れて、思わず“買った!”と声が出そうになります」と笑う。

 昼時になると、市場からお弁当が出る。その内容が業者間で話題になることから始めたコラムが、『古物 イチバめし』だ。

〈競りはエネルギーを使うので、カツやから揚げ、ハンバーグなどの肉系弁当の人気が高い〉と、この号では“とんかつ まい泉のカツ丼”をカラー写真で紹介している。

 話を私たちレベルに戻そう。

 さて、今、何が売り時なのだろうか。「円安なので、中国でブランド品がよく売れています。売るなら、中国経済が堅調のうちがいいでしょうね。洋服なら、今年買った夏物は、今売るよりクリーニングに出して来春まで待ったほうが高く売れる場合もある。その時期、ショップに夏物の在庫が少なくなるので、高値がつきやすいんです」。

 一時期より落ち着いたとはいえ、金も高値で、18金は1gが3118円前後(9月10日相場)で買い取られている。

 意外なところでは、使わなくなったガラケー。生産中止で思わぬ値段がついてる商品があるとか。

「今、親の家の片づけがブームですが、どんな家でも売れる物が何かあります。テレカ、切手、はがき、着物、時計、カメラ。未開封ならウイスキーも売れます。家に来て見積もりをしてくれる業者もあります」

 さあーて。近いうちに親の肩もみに行ってこようかな。

(取材・文/野原広子)

※女性セブン2015年10月1日号

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