国内

アベノミクス トリクルダウン効果なく自民資金源のみ潤った

 安倍晋三・首相は10%への消費増税延期について「リーマン・ショックのようなことが起これば別だが、今の状況であれば予定通り行なう」と語った。事実上の「増税断行宣言」といっていい。

 財務省と与党の間で、消費税の軽減税率を巡る議論ばかりが盛り上がるのも「増税ありき」という結論が決まっているからだ。

 安倍首相はこの3年間、アベノミクスで企業が利益をあげれば、社員の給料が増え、消費が高まって日本経済全体が好循環になるという「トリクルダウン」理論で国民を期待させてきた。

 しかし、一部の輸出大企業が空前の利益をあげただけで、サラリーマンの実質賃金は上がっていない。

 結局、アベノミクスの3年間は公共事業によってゼネコンが潤い、法人税減税の見返りに経団連が自民党への献金を呼び掛け、規制改革でも政治が改革に手心を加えることで電力、医師会、農協といった自民党の資金源を太らせただけに終わった。

 経団連の榊原定征会長が9月末の会見で〈希望を生み出す強い経済〉〈夢をつむぐ子育て支援〉〈安心につながる社会保障〉という中身のない新・3本の矢を“評価”し、昨年復活させた政治献金を「継続する」と表明したこともわかりやすい。

 これからの3年間、政府は企業にはさらに減税を進め、サラリーマンは給料が上がらないまま消費税増税で取り立てられて生活をズタボロにされる。得をするのは政治家と役人、財界だけという“いつか来た道”だ。

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン