国内

中国人観光客のマナー 30年前の日本人を思えば笑えないもの

 数多くの中国人観光客が日本を訪れているが、その一方でゴミを捨てたり、大声で話したりなど、彼らのマナーが問題となることも多い。また、海外ではタイ・チェンライの寺のように、“中国人お断り”を宣言した場所も存在する。昨今、日本の飲食店でもバイキングで、こぼれんばかりに大盛りし、挙句の果てに大量に残す中国人観光客に対し、眉をひそめる向きもある。また、テーマパークでも平気で割り込まれ、不快な思いをしたという声も。

 しかし、中国人のマナー違反をただただ嫌悪する風潮に、商社に勤務する50代の会社員女性は、昔を振り返って、こう疑問の声をあげる。

「仕事柄、若い頃から海外に行く機会は多かった方です。今でこそ、海外ではジャパニーズとチャイニーズが区別されていますが、20年前は、海外に行くと日本人だろうが中国人だろうが、すべて“アジア人”としてひとくくりにされて、欧米人とは別の扱いを受けていました。レストランではっきり“アジア人はお断り”と言われることもありましたよ。むしろはっきりと“日本人お断り”と、店を追い出されたこともありました。でも、それがあったからこそ、今の日本人のマナーがあるんじゃないでしょうか」

 1964年に海外旅行が自由化され、高度経済成長期を迎えた1970~1980年代、日本人は次々と海外旅行に出かけるようになった。敗戦から復興し、お金を持つようになった当時の日本人の振る舞いは、残念ながら、あまり行儀がいいものではなかった。

 1980年代当時、新聞や雑誌には、「海外名所の非常識日本人」「日本人の国際意識に赤信号」「行儀悪い日本人観光客が急増」などの見出しが躍った。そこには、“金を払うから観光遊覧船の窓側の良い席に座らせろ”と主張する日本人や、“どこでもたばこを吸って地面にポイ捨て”する日本人、“高価な服やアクセサリーをバーゲンセールのように買い漁る”若い日本人女性などの姿が、これでもかというくらいに書き並べられていた。

 20年前に夫とふたり、フランスに行ったという60代の主婦は、同じ日本人として恥ずかしい思いをした、と当時を振り返る。

「パリの教会で、荘厳で静まり返っているミサの最中に、ストロボをたいて記念撮影をする日本人の団体を何組も見かけました。ミニスカートにタンクトップで教会に入ろうとして注意されている若い観光客もいましたね」

関連キーワード

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン