生前、水木氏は様々なメディアで「睡眠の重要性」を話している。
「私も“寝なくちゃダメです。徹夜はダメです”とよく注意されました」(西村氏)
食生活は豪快だった。今年3月の93歳の誕生日に超巨大ケーキを美味しそうに頬張る姿や、『伝説のすた丼屋』のすた丼を食べる姿が水木プロダクションのサイトにアップされ、〈若者すぎる食事〉と話題を呼んだ。
「『カランコロン漂泊記』(2000年)出版後の打ち上げは、しゃぶしゃぶとすき焼きを両方楽しめるお店で行ないました。先生はしゃぶしゃぶのテーブルに座られて、かなりの量を召し上がっていたんですけど、帰りがけに“今日はすき焼きの方は我慢しておきました”とおっしゃられて。まだまだ食べ足りないといったご様子でした」(同前)
一度気に入ると、しばらく同じ物を食べ続けた。
「調布駅前のパルコに『モランボン』という焼肉屋さんがあったんですけど、そこの冷麺をすごく気に入られて、一時期、毎日のように通っていた。それで先生が店に入って席に座ると、注文しなくとも冷麺が出てくるようになった。
音楽も同じで、世界旅行で録音された民族音楽のテープを、一時期、ずっと聴かれていたそうです」(同前)
※週刊ポスト2015年12月18日号