実は現在も、これに似た7年相場の途中にあります。2008年のリーマン・ショックで株価は急落し、同年10月と翌2009年3月に、ほぼ同じ安値(6994円と7021円)をつけ、典型的なダブルボトムの形になりました。そこから3年間はだらだらと底値圏に張り付き、2012年6月を境に上昇に転じました。直近の2015年夏から秋にかけて調整(下落)がありましたが、現在はちょうど2万円をはさんだ攻防が続いています。
アベノミクス一本目の矢、金融緩和が相場上昇のきっかけだったことは間違いありません。それは2009年3月から始まった7年波動に裏打ちされていますから、波動が一巡する来年の年央まで上昇すると見るべきです。過去の日経平均チャートからもわかるように、20年の下落相場(クズネッツ・サイクル)、3年の横ばい相場(キチン・サイクル)にも当てはまっていますから、この相場サイクルは現在も生きていると思います。
注目すべきは日経平均2万3000円のラインです。これが「バブル崩壊後の半値戻し」だからです。相場の格言に「半値戻しは全値戻し」というものがあります。下落した株価が、下がった値幅の半分戻せば、その後は下落前の株価まで戻すことが多いという意味です。1000円だった株価が600円に値下がりし、その後、値下がり幅400円の半分である200円分を取り戻して800円まで値を戻したなら、その後は1000円まで値上がりするというわけです。
バブルの高値が約3万9000円。安値は前述の約7000円ですから、下落幅は実に3万2000円。半値戻しは底値(7000円)から1万6000円値上がりした2万3000円です。このラインを超えてくれば、相場はバブル最高値を目指してさらに上昇するというのが、波動、サイクルなのです。
※週刊ポスト2015年12月18日号