「自己愛が強い人は、息を吐くように嘘をつく。自己愛が強くなる要因は3つ。1つ目は『家庭』です。ステージママなど、自分が子供時代に果たせなかった夢=親の自己愛をわが子に託す。

 それを加速させるのが、2つ目の要因である『教育』。今の時代は徒競走でも成績でも差をつけず、“やればできる”という幻想を吹き込むので、親から投影された自己愛がどんどん増幅する。親のクレームが怖くて、教師も子供たちをきちんと導いてやれないんです」

 そして3つ目の要因は社会。“この一滴でシミが消える”などといった幻想ビジネスの横行で誰もが願えば叶うと勘違いし、その錯覚に苦しむ人が増えた。

「理想の自分に近づくために見栄を張って、嘘をつけば一時的に生活は華やぐかもしれないけれど、それで失うものがあることを学ぶべきです。

 ばびろんまつこだって、もとはきちんとした会社員でしたよね。堅実に暮らしていたのに、前科がついてしまって、この先どうなるのか。嘘を正当化するために嘘を重ねることのリスクを自覚すべきだと、私は思います」

 片田さんはその上で、「他人事だと思っていても、実は自分が加害者になっていることも少なくない」と指摘する。

「キラキラ女子の信者もそうですし、時の人を祭り上げるメディアもそう。目の前の嘘を見極められずに、嘘つきに嘘を重ねさせる“共犯者”になりかねないのです」

※女性セブン2015年12月24日号

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