芸能

近藤正臣 落語の伊勢参りイメージして正吉の最期を演じた

『あさが来た』正吉の最期のシーンを語る近藤正臣

 絶好調のNHK連続テレビ小説『あさが来た』で新次郎の父親・正吉役を演じる近藤正臣。近藤自身は2か月前にクランクアップした。正吉はよのに看取られて亡くなった。

「上方落語に『東の旅』というお話がありまして。これは大阪からお伊勢さんに、アホな2人がお参りに行く道中記なんです。

 それでたまたまなんですが、正吉のせりふに『最後にあんたと一緒にお伊勢さん参りしよ、もう引退したんやから』というような言葉があったので、落語的にやってみました」(近藤・以下「」内同)

 そう言うと、実際目の前で落語の演目をするかのように正吉を演じ始めた。

「よのさん、ちょっと来てな、座って。ひさしぶりや、膝借りよ…」

 膝枕をしてもらうかのように上半身を倒しながら話し続ける。

「あかん…もう伊勢参り行けなんだ。すまんなあ。ああ…、行きたいなあ。暗峠を越えて、奈良へ出る、榛原から先はもう、お伊勢さんまですぐじゃあ。ああ、賑やかなこっちゃなあ。もうお伊勢さん参り行けなんだ、すまんなんだ」

 するとよのさんが「何でも好きなもん、いっぱい買いなはれ、だけど、あんた、買う前にお参りせな」と言う。目を閉じて、少し顔を上げて、そっとつぶやく。

「『せやった、大きな鳥居やなあ。神様頼んまっせ、よのがこれからちゃんと生きていけるように。頼んまっせ…』と言ってポンっと死ぬ。そうしたシチュエーションをイメージしながら最期のシーンの撮影にのぞみました。

 正吉という男が生きて、死んでいく時に、どんな死にざまをするかなといくつも考えたわけです。『加野屋を守ってや。しっかりやってな』というのは生きてる間に言っていたに違いない。最後の最後は、夫婦ふたりだから。だから、そんなふうに死んでもええでしょ?と思ったんです」

※女性セブン2015年12月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン