芸能

下町ロケットで佃製作所救った「週刊ポストのスクープ記事」

『下町ロケット』DVD&Blu-rayも発売決定

 今年一番の大ヒットドラマとなった『下町ロケット』(TBS系)。20日に放映された最終回で、佃製作所の大逆転を呼び込んだのは、高島彩演じる医療ジャーナリスト・咲間倫子が“週刊ポスト”に書いたスクープ記事だった。題して〈独走スクープ! アジア医科大学×日本クライン×サヤマ製作所 未完成品で臨床治験…患者の死因を隠蔽か!? 「世界最小最軽量 人工心臓コアハートに実験データ偽装疑惑!」〉。

 リアリティを追求するTBS制作チームからの“実名登場”という熱い要望に、編集部でのロケを行なうなど本誌は全面協力。「ドラマ版週刊ポスト」もダミーではなく本誌の筆致を真似て記事を執筆し、本誌デザイナーが「架空の大スクープ記事」をデザインする凝りようで、実際に使っている用紙に印刷して完成した。ドラマ最終回で使われたそのスクープ記事を紹介しよう。

【※ご注意/ここから先の記事はドラマ用に作成された完全なフィクションです。記事中に登場する個人、団体は全て架空のものです】

 * * *
 医学の進歩に、命の犠牲はつきものだというのか──。アジア医科大学と日本クラインが共同開発している世界最小・最軽量、患者の負担を大幅に軽減できると謳われた画期的な人工心臓コアハート。その最初の臨床治験患者が死亡した。遺族は医療過誤を疑い調査を求めたが、アジア医科大学はそれを突っぱね患者本人の心不全による病死だと発表した。取材を進めると、命を預かる医療の現場にあるまじき不正の数々が見えた。

◆治験患者が死亡…隠蔽された死因

 先日、最新鋭の人工心臓コアハートの臨床治験で、治験患者である30代男性A氏が死亡した。世界最小・最軽量、患者の負担を大幅に軽減できると謳われた画期的な人工心臓コアハート──その臨床治験が始まったことは医学界で大きな注目を集めていた。

 コアハートは、アジア医科大学の心臓外科部長・貴船恒広教授を中心に日本クライン株式会社と共同開発している医療機器で、血液の逆流を防ぐためのキーパーツとなるバタフライバルブの開発はサヤマ製作所が引き受けている。心臓外科に長い歴史をもつアジア医科大学、精密機器メーカー最大手の日本クライン、NASA出身である椎名直之社長のアメリカ仕込みの高い技術力で急成長を遂げているサヤマ製作所の3社が手を組んでいるということで、医療関係者もその性能に期待を高めていたことだろう。

 その矢先に起きた出来事だった。いくら臨床治験に同意していたとしても、遺族の悔やまれる想いは計り知れない。

 そんな遺族の強い意向を受けて、アジア医科大学内に設置された「緊急院内医療事故対策会議」が事故の詳細を公表した。“死因は、臨床治験患者A氏がもともと患っていた心臓疾患による心不全”。つまり“病死”というものだった。臨床試験のリスクを考えれば納得できなくもないが、そこにはひとつアジア医科大学側の過失があった。

 A氏の容態が急変した際、人工心臓がついていることを知らなかった医師が、心臓マッサージを行なったのだ。人工心臓患者の場合、機器に負荷がかかる心臓マッサージは御法度だ。これによりコアハートは破損。アジア医科大学は初期対応の適切さを欠いたとして病院側の過失を認めたが、その前からA氏は心停止の状態になっており、あくまで死因は心不全。人工心臓コアハートの破損と死因は無関係であるという結論を出した。

 一部の医療関係者の話では、人工心臓は自身の心臓のはたらきで血液が不足している分だけ人工心臓で循環を補助しているため、心不全による心停止が起こることはほとんどないという。それでは、一体どうしてA氏は心停止を起こし死亡してしまったのだろうか。

 そこで考えられるのが、人工心臓コアハートの不具合である。世界最小・最軽量を謳う画期的な人工心臓であるが、その設計に無理はなかったのか。また、設計が充分なものであったとして、何らかの原因でコアハートが動作不良を起こして臨床治験患者が事故死した可能性はないのか。

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト