国際情報

1983年米サミットでの中曽根事件 並び順厳格化の契機との説

1983年の米・ウィリアムズバーグサミット 8383/GAMMA/AFLO 

「序列」はどこの世界にも存在する。サミット(先進国首脳会議)の恒例行事である各国首脳の記念撮影。実はこの「立ち位置」にも国際儀礼に則ったルールが存在している。

 * * *
 2015年6月に開催されたドイツ・エルマウサミットの記念写真。中央は主催国ドイツのメルケル首相。その両脇をアメリカのオバマ、フランスのオランド両大統領が固め、さらに両サイドに各国首相が並ぶ。日本の安倍首相は左端から2番目と隅に追いやられた感があるが、これは国際儀礼に則った正規の立ち位置だという。
 
「記念撮影は、開催国を中心に、内側から国家元首(大統領)、首相の順で並びます。同格の場合は、在任期間が長い順から中央寄りに並びます」(外務省経済局政策課)
 
 当時、安倍首相は在任2年半(2012年12月~)。首相の中ではイギリスのキャメロン首相(5年)に続き序列は6位だった。だからこそ、メルケル氏→オバマ氏→カナダ・ハーパー首相に次ぐ中央から左に向かい3人目に位置し、安倍氏よりも外側には(常に端を占める)EUのトゥスク欧州理事会議長しかいない。首脳として序列が安倍氏より下だったのは、在任期間が短いイタリアのレンツィ首相の7位だった。なお、期間をあけて複数回、大統領や首相を務めても在任期間は合算されない。
 
 並び順については主催国が事前通達し、現場でも担当者の誘導があるようだ。
 
 ところが、1983年の米・ウィリアムズバーグサミットでは、慣例だと序列6位の中曽根康弘首相が同3位のイギリス・サッチャー首相を差し置き、主催国(レーガン大統領)の隣に入り込む“事件”が発生した。約30回のサミット取材経験があるジャーナリスト・嶌信彦氏が内幕を語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

1986年11月の「リベンジ髪切りデスマッチ」
【クラッシュ・ギャルズvs極悪同盟】長与千種、ライオネス飛鳥、ダンプ松本、ブル中野…当事者たちが明かした“最凶の抗争”40年目の真実
週刊ポスト
5月場所は客席も活況だという
大相撲5月場所 溜席の着物美人は「本場所のたびに着物を新調」と明かす 注目集めた「アラブの石油王」スタイルの観客との接点は?
NEWSポストセブン
亡くなった6歳の後藤鈴ちゃん(SNSより)。一家に何があったのか
《戸越銀座・母子4人死亡》被害者妻が明かしていた「大切な子どもへの思い」3日前に離婚したばかりの元夫は「育休取ってる」アピールも…家には「日中も窓にシャッター」の違和感
NEWSポストセブン
被害者の渡邉華蓮さん
《関西外大の女子大生を刺殺》「自宅前で出待ちされて悩んでいた」殺害された女性宅周辺で目撃されていた「怪しい男」抵抗されながら刺し続けた交際相手の強い殺意
NEWSポストセブン
お騒がせアイドルとして人気を博した榎本加奈子
《略奪婚から20年》43歳の榎本加奈子「爆弾発言アイドル」から敏腕社長に転身「人気スープカレー店売却」で次に狙う“夫婦念願の夢”
NEWSポストセブン
死亡が確認されたシャニさん(SNSより)
《暴徒に唾を吐きかけられ…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の母親が“残虐動画の拡散”を意義深く感じた「悲しい理由」
NEWSポストセブン
所属事務所は不倫を否定(時事通信フォト)
《星野源と新垣結衣が完全否定》「ネカフェ生活」NHK・林田理沙アナとの疑惑拡散の背景「事務所が異例の高速対応」をした理由
NEWSポストセブン
7月のイベントでファンの前に姿を見せる中森明菜(YouTubeより)
《7月のイベントで完全復帰へ》中森明菜、SNS時代にささやかれる不安要素 「陽」の聖子と比較して「陰」と評された歌姫は再びかがやくことができるのか
NEWSポストセブン
9月の誕生日で成年を迎えられる(4月、東京・町田市。写真/JMPA)
【悠仁さまの大学進学】幼稚園と高校は“別枠”で合格、受験競争を勝ち抜いた経験はゼロ 紀子さまが切望する「東京大学」は推薦枠拡大を検討中
女性セブン
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
5月に入り病状が急変し、帰らぬ人となった中尾彬さん
【中尾彬さん逝去】数か月体調優れず、5月に入って容体が急変 葬儀は近親者のみ、妻・池波志乃さんは憔悴しながらも参列者に感謝
女性セブン
亡くなったシャニさん
《7か月を経て…》ハマスに半裸で連行された22歳女性が無言の帰宅、公表された最期の姿「遺体の状態は良好」「肌もタトゥーもきれいに見える」
NEWSポストセブン