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2016.01.14 07:00  週刊ポスト

菅官房長官に大臣らは不満持つが睨まれること怖れ意見できず

 菅義偉・官房長官は、その絶大な権力から「影の総理」と呼ばれてきた。しかしいまや、その言い方は適切とはいえない。もはや安倍首相こそが、「官房長官の影」なのだ。国民の気づかないうちに、官邸のパワーバランスは完全に逆転した。

 菅氏は昨年10月、グアムを訪問し、米太平洋海兵隊司令官と会談した。本来、政府の危機管理の責任者でもある官房長官は「留守居役」であり、一朝事あればすぐに官邸で指揮をとらなければならないことから、外遊はもちろん、選挙応援のための地方遊説さえ原則行かないものとされている。

 しかし、菅氏は橋本内閣の官房長官として普天間米軍基地返還の日米合意を結んだ故・梶山静六氏を「政治の師」と仰ぎ、師の悲願を自分の手で成し遂げることをライフワークにしている。そのため安倍政権では、沖縄の米軍基地移設に関しては首相でも外相や防衛相でもなく、菅氏主導で反対派の翁長雄志・沖縄県知事との交渉にあたっている。

 グアム視察はその一環で行なわれたものだ。このとき、「留守居役が留守」の官邸で珍しい光景が出現した。

 政府の最高意思決定機関である閣議は首相が決裁役で、官房長官が議事進行役を務める。だが、菅氏の外遊中に開催された閣議(10月30日)は、他の大臣ではなく安倍首相が自ら議事進行役を代行したのだ。19年ぶりの“異例事態”だった。

「小泉内閣で1年間官房長官を務めた安倍首相は進行役には慣れている」

 そう説明されたが、日米安保にかかわる課題で菅官房長官が訪米し、外遊好きの安倍首相が留守居役を務めたのだから“菅首相、安倍官房長官”という役割の逆転だ。さすがに自民党内には、「菅さんは将来の総理の座をにらんで、“ネクストバッターボックスには、私がバットを持って待機しています”と米国にアピールするためにグアムに行った」(外交族議員)という見方が流れた。

 この沖縄の基地移設問題は菅氏にとって軽減税率問題以上に真価が問われるテーマといっていい。それだけにより強引なアメとムチの手法を発揮している。

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