「後藤さんの“例えツッコミ”は、関西だとそれだけで成立して笑いになります。でも東京だと、そのツッコミ自体の切れ味の鋭さや、それに酔いしれてドヤ顔を浮かべる後藤さん自身が他の芸人からイジられてしまいます。大阪の笑いはボケに対してツッコミがあり、そこでピリオドが打たれるんですが、東京の笑いはそこで終わらずイジりが入ります。しかもそのイジりは、拒絶することができない。イジられた後にさらに何か返さないといけません。後藤さんも関西では綺麗に決まっていたツッコミがイジりの対象になって最初は戸惑ったと思いますが、負け顔を見せて笑いに変えるなど頑張りました」
お笑いに対する考え方も東西では異なるという。
「関西の人たちは面白い芸人に対してのリスペクトがあります。どんな無名の若手芸人でも、とりあえずはネタを見て評価してもらえる。ある意味芸人には優しい世界です。
また賞レースが多いのも特徴で、そこで結果を出せばそれなりに認めてもらえる土壌があります。だから芸人たちも本気になって芸磨きに専念することができる。ところが東京の芸人は、全国ネットのテレビというメジャーな世界が目の前にある分だけ、考え方がドライになる傾向があります。たとえ賞をとっても売れなければ意味がない、と割り切った考えを持っている人が多い。売れたもの勝ちの世界なのです」
このような違いがある中、東京進出後のコロチキはどうなるのか。
「彼らはどちらかといえば東京向きの芸人だと思います。変わり者のナダルさんは関西出身でありながらその笑いの文化に染まりきっていないところがあるので、すぐに馴染むのではないかと思います。先輩芸人のネタ映像を楽屋で見ていて『伸びてるなぁ』と言ってしまうというエピソードも、普通に考えると失礼に当たりますが、ナダルさんは本当に伸びてきたと思ったからそう言っているだけ。別に悪気はないのです。こういう、周りとズレた天性の価値観を持っている人は、隙だらけでイジられキャラになりやすいので、東京のテレビではウケると思います」
やっべぇくらいの活躍はできるか?