「遺骨は散骨にしてね。散骨の場所は、銀座。1丁目から8丁目全部ね! 撒いたらすぐに拾ってね。迷惑がかからないようにしたいから! でも大好きな帝国ホテルはどうしても撒いてね」――淡路恵子さん(享年80)の遺言は、そんな散骨への細かい願いだった。
弔いの儀が多様化しているなかで、安くて、その後の墓問題をはらんでいない散骨がにわかに注目を集めている。しかし散骨にあたっての粉骨についてはあまり知られていない。
そんな粉骨について、粉骨代行サービス『まごころ』をスタートさせた舘山文成さん(44才)に話を聞いた。
「扱う上での注意点は、他人の遺骨と絶対に混ぜないこと。使用する器具は徹底的に洗浄しています。また骨は湿気を吸いやすく、粉砕した遺灰は粒子が細かい。マスクとゴム手袋は必須です」(舘山さん)。
粉骨のステップはこうだ。
【1】骨壺から出し、遺骨に手を合わせる。
【2】記録用に写真撮影。
【3】磁石を使い、混入している異物を取り除く。
【4】重さを測定。
【5】粉骨機に入れて粉砕(何度かに分けて行う)。
【6】一片2mm以下のパウダー状になった遺灰をUVライトに4~5分照射し、カビ菌を死滅させる。
【7】遺灰を約200gずつ水溶性の紙に入れる(成人の遺骨は7~9袋になる)。
【8】【7】を真空パックし、化粧箱に梱包する。
※女性セブン2016年2月11日号