マイナス金利はこれまでユーロ圏、スイス、デンマーク、スウェーデンですでに実施されている。しかし、経済規模の大きい日本での導入が世界に与えるインパクトは他国とは比較にならないという。武者リサーチ代表の武者陵司氏が解説する。
「黒田総裁の強力なイニシアチブで世界的な金融政策の方向性が固まったといえるのではないか。今後、ECB(欧州中央銀行)の追加緩和やFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ路線の後退など、さらなる金融緩和が世界のトレンドとなるだろう。現在は先行きの不透明さから投資を控えている市場参加者の心理が落ち着いてくれば、世界経済にプラスに働くことは間違いありません」
日本企業は、長きにわたる円高・デフレ不況のなかで闘ってきた。そのため企業としての基礎体力は強化され、株価が乱高下する局面でも、地力のある企業は好調な業績を保っている。そうした状況を本誌はこれまで4週にわたりレポートしてきた。
そして懸念されている中国経済の減速といった外部要因さえ落ち着けば底力のある日本の株式市場は再興し、株価は必ず沸騰するというプロの見方を紹介してきた。
この状況下でマイナス金利が強力な「追い風」となれば、日本経済の推進力はさらに強まる。まさに「マイナス金利祭り」がやってくるとみられているのだ。
※週刊ポスト2016年2月19日号