インターネットの大規模掲示板に「インターエデュ」がある。大手塾が運営している受験情報サイトだが、2ちゃんねるのように板やスレッドがたくさん配置されているその掲示板を覗くと、疲弊した親たちと出会える。
関心のある方は、インターエデュのトップページ→総合・中受・Q&Aをクリックしてほしい。その次に現れる一覧表の上方に、「2016年 繰り上げ合格をお待ちになっている方へのメッセージ」というスレッドがあるはずだ。
これは4年前の我が子の中学受験で希望校すべて不合格、滑り止め校の制服を作った後に、まさかの希望校繰り上げ合格となったハンドルネーム「桜」氏が、毎年ボランティアで立ち上げている、繰り上げ合格情報のやりとりスレッドだ。「桜」氏は大手塾2校の詳細データを持っているそうで、「△△熱烈志望です。今日になっても電話が鳴りません。もう繰り上がりは諦めるべきでしょうか?」といった質問に、一つ一つていねいに返答していく。2016年度版スレッドは2月5日に立ち上げられ、2月11日現在でもう551ものコメントが連なっている。
そのままの引用は差し控えるが、取り乱している質問者の親が多い。終日、固定電話機の横から離れられないという親もいる。前を向けない自分の不甲斐なさを大勢の親が嘆いている。ずっと読んでいくと、まるでひっきりなしにかかってくる心の電話相談みたいだ。泣ける。
一部都会限定の話ではある。だが、「中学受験をしないわけにはいかない」町に住んでいるから使い果たした親のエネルギー総量はどのくらいだろう。それは莫大なロスだ、とまでは言わないが、子供がそれなりの主体性を獲得するのは高校受験の頃。親の頑張りをこんなに必要とする中学受験がスタンダードというのは社会病理ではないか、と私は思う。