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働きアリ理論は絵に描いた餅 ローパー社員には通用しない

 いま、「ローパー社員」が論争の的になっている。ローパー社員とは「ローパフォーマー社員」の略で、周囲の期待どおりに働かず、企業に利益をもたらさないダメ社員のこと。

 論争のきっかけは朝日新聞が「再就職支援のための政府助成金が『非戦力社員』であるローパー社員のリストラ誘発につながっている」と報じた記事(2月22日付)だ。翌日の「天声人語」では、北海道大学の長谷川英祐・准教授による「勤勉なアリ」と「怠け者のアリ」の研究を取り上げ、普段サボッているアリは働き者の仲間が疲れて休むとその代わりに働き、卵の世話をするという研究成果を紹介した。

 そのうえで「短期的には無用と見える個体が、長期的には実に有用」であると強調し、ローパー社員を「長い目」で見る必要があると訴えた。いかにも朝日らしい「労働者擁護」の内容だ。

 これに猛然と異を唱えるのが実際のビジネス現場だ。本誌が取材を重ねると仰天の「ローパー伝説」がいくつも飛び出した。

 大手メーカーの40代社員は、「ローパーが疲れた仲間の代わりに働くなんて絵に描いたモチです」と断言する。

「ウチの会社のローパー社員は強い組合に守られ、来る日も来る日も怠け続けている。ある社員が数か月だけ働き、1年間休職するサイクルを繰り返しても、組合に守られてクビにできなかったほどです。さすがにその後、社内で問題になって改正された就労規則は、“○○(その社員の名前)ルール”と呼ばれるようになった。彼のように普段サボッている奴が困ったときに働くなんてありえない。とっとと辞めてほしい」

 最近、「ウチはブラック企業だ」と主張するローパーが増えたと渋い顔なのはIT系企業の40代係長だ。

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