そうしたこれまでの治療法の主流は、あくまで花粉症の症状を和らげる「対症療法」であった。薬は毎年、シーズンが来るたびに処方してもらわなければならないし、レーザーも数年に一度は同じ治療を受けなくてはならない。またレーザー治療は目の粘膜には使えないので、点眼薬などを併用しなくてはならない場合が少なくない。

 それに対して舌下免疫療法はアレルギー反応そのものをなくし、治療を終えれば一生、花粉症で苦しまずに済むと期待されている「根治療法」なのだ。

 この治療法は簡単にいえば、アレルギーの原因物質であるスギ花粉を少しずつ体内に入れていき、体に「危険なものではない」と認識させていくやり方だ。前出・大場氏が解説する。

「スギ花粉のエキスを含むシダトレンを毎日少量、舌の裏側の付け根に垂らしていきます。舌下からスギ花粉を吸収させることで、アレルギー反応に深く関係する、あごの下の左右のリンパ節にエキスが届きやすくなるのです。

 体のなかにアレルギーの原因物質を少しずつ投与する治療法としては、これまでもスギ花粉エキスを注射する治療法がありましたが、この方法の場合は週に複数回、病院に通わなければならず、患者側の負担が大きくなってしまっていた。

 シダトレンを使うと、初回の投与は病院で行なう必要がありますが、あとは処方された薬を1日に1回、自分で垂らせばいいので楽に続けられます」

 発売当初は一度に処方してもらえるのは2週間分までだったが、昨年10月からは長期処方が可能になった。そのため、「月に1回程度、病院に薬を取りに行けばよくなった」(前出・Aさん)といい、患者の負担はさらに減っている。

※週刊ポスト2016年3月11日号

関連記事

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン